平凡な商品が業界1位に!
コモディティ商品を売りたいと考えています。
コモディティ商品とは、日用品などのありふれた商品のことですね。
商品に際立った特徴もないうえ、 競合がとても多いのですね。
そんななか、ある本でUSPについて知りました。
USPとは Unique Selling Proposition の略で、自社の商品・製品の強みを、顧客にわかりやすく伝えるもの、といえばいいでしょうか。
たとえば、ある業界で唯一無二の技術を備えた商品を扱っているならば、まさにそれがUSPになります。
また、とんでもなく幅広い品揃えがあるスーパーなら、それがUSPになるでしょう。
では、どう考えても際立った特徴がない製品を作っている会社は、何をUSPにすればいいのでしょうか。
アメリカにシュリッツビールという会社がありました。
その地域には10社ほどの醸造会社があって、シュリッツビールは業界8位でした。
作っていたのは、ブルーワーカー向けのビール。安価で、 何の特徴もないビールです。
販促の相談を受けたマーケティングコンサルタントは、醸造責任者に製造方法の説明を受けました。
初めて聞くその醸造プロセスは、 素人目には驚きの連続でした。
何工程もの洗浄や消毒など、気の遠くなるような過程を経て、 ビールが製造されていることがわかりました。
もちろん、酒造りを知る者にとっては、雑菌が酒づくりの大敵であることは分かりきってます。何工程もの 洗浄や消毒など、他社でも当たり前にやっていることです。
けれど、 このコンサルタントは、この製造工程こそ、消費者に知らしめるべきだと答えました。
ビール業界では常識であった「品質が高い」というUSPなら、他社もやっているのでありきたり。
けれど、製造工程をストーリーで語り、その醸造方法や消毒の理由を説明することで、新たなUSPに置き変えたのでした。
その結果、シュリッツビールは業界1位になることが出来ました。
いま、自分が売ろうとしている商品には、USPなんて何もない。
そう考えてしまいがちです。
でもこの思いは、売り手側に立っているから感じるのではないでしょうか。
立場を変えて、買い手に立ってみれば、また違った感覚が芽生えてくるような気がします。